アイヌ語で自然かんさつ図鑑
イチイ
アイヌ語 / 語源
-
【アイヌ語名】ラㇽマニ/rarmani【日本語名】イチイ
アイヌ文化
食用
果実は食用になり、子どもたちのおやつにしました。(帯広・本別)。
生活
弾力のある木なので、かつてはこの枝で弓を作りました。このため、この木をクネニ(弓になる木)と呼ぶ地方もあります(知里)。
カムイ(神)に言葉を伝えるための祭祀具イクパスイ(酒捧箆)を作る材料にしました。
自然観察
北海道ではオンコとも呼ばれる、イチイ科の常緑樹です。大きい木は高さ15m、直径1mにもなりますが、身近な林で自然に育った大木を見かけることはまれです。材としては床柱(とこばしら)のほか、鉛筆(えんぴつ)材としても大量に利用されました。
雌の木には直径7〜9 mmの赤色または黄色の果実をつけます。果肉には甘みがありヒヨドリやエゾリスがよく食べます。種子は鳥のふんに混じって地面に落ち、2度冬を越した後に芽を出します。この種子にはタキシンという毒があり、食べると呼吸困難を起こし死亡する危険があります。