アイヌ語で自然かんさつ図鑑
イタヤカエデ
アイヌ語 / 語源
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【アイヌ語名】トペニ/topeni【日本語名】イタヤカエデ
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【アイヌ語源】トペ-ニ【意味】乳汁の木
アイヌ文化
食用
早春に樹皮を斜めに傷つけ、そこに容器をおいて樹液が流れ込むようにしておくと、一晩ほどで1〜2Lくらいの樹液を採取できたるそうです。採集した樹液は、冷やして飲んだり、煮詰めて甘味料として使いました(帯広・本別)。しかし、あまり取りすぎると木によくないので、傷口に土を塗り付けて休ませました(本別)。
信仰
堅い材なので、カムイ(神)に祈るときに使うイクパスイ(酒捧箆:しゅぼうべら)の材料にしていました(帯広)。
自然観察
ムクロジ科の高木で高さ20mになります。葉が茂ったようすを板ぶきの屋根に見立てて名付けられました。
葉は指のように5〜7つにわかれ、鋸歯と呼ばれる縁の細かいギザギザはありません(モミジにはある)。5月に黄色い5枚の花弁をもつ花が咲きます。紅葉の前に、ハの字で開いた翼のような形の果実が実ります。果実は中央で分かれ、風に乗ってプロペラのように回転しながら、遠くまで種子を運びます。
早春の樹液は甘みが強く、エゾリスやヒヨドリなどの生きものがなめに来ます。