アイヌ語で自然かんさつ図鑑
オニグルミ
アイヌ語 / 語源
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【アイヌ語名】ネㇱコ/nesko【日本語名】オニグルミ
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【アイヌ語名】ニヌㇺ【日本語名】クルミの実
アイヌ文化
生活
樹皮は繊維を黒色に染めるための染料として利用し、また、木部で臼や杵を作りました(帯広・本別)。
食用
秋に実を採集し、乾燥させて保存したものを、冬に炉で温めてから石などで殻を割って中身を食べました。また、中身をつぶしてプクサ(ギョウジャニンニク)のおひたしにかけて食べたりしました(本別)。
信仰
実はイオマンテ(クマの霊送り)の際に、クマの檻の上からだんごなどとともに集まった人びとにまきました(本別)。
自然観察
クルミ科の高木で、家具材などに使われるほか、果実が食用にされています。
5〜6月に開花し、雄花は長さ20㎝以上の緑色のふさになってたれ下がり、花期が終わると落下します。雌花はまっすぐ立った花茎に複数咲きます。花期が終わると花茎ごとたれ下がり、ふくらんで果実(堅果:けんか)になります。
堅果はエゾリスやアカネズミの重要な食物となっています。堅果が二つに割れたものはエゾリス、両側に丸い穴が空いたものはアカネズミの食べあとです。
エゾリスは秋にクルミを埋め、冬の食物として貯食します。食べ残され発芽したものを引き抜くと、地中のクルミがついたまま出てきます。