アイヌ語で自然かんさつ図鑑
ヤブマメ
アイヌ語 / 語源
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【アイヌ語名】エハ/eha【日本語名】ヤブマメ
アイヌ文化
採集方法
秋、もしくは春先に枯れたツルを目印にして、そこをシッタㇷ゚という掘り具を使って土を掘ります。すると土の中から豆があらわれます。昔はサラニㇷ゚(編み袋)に集めて運びました。また、子どもはシウキナ(エゾニュウ)の茎を切り、下部に細い棒を十文字に数本差し込んで作った容器や、オオウバユリの枯れた茎を容器にして採集し、たまったらサラニㇷ゚にあけて運びました(帯広・本別)。
食用
豆をきれいに洗い、煮て油などをつけて食べたり、ご飯に入れて豆ご飯にしました(帯広・本別)。
自然観察
マメ科の一年草で、日当たりの良い林の縁をおおって生い茂ることがあります。
夏〜秋に青紫色の花(開放花)が咲き、結実すると小さなマメざやをつけます。このさやは乾くとはぜて、遠くまで種子を飛ばします。このほかに、開放花の一部と閉鎖花(自家受粉する開かない花)が、受粉後地下1〜2cmに潜り、長径1cm前後の豆を作ります。アイヌの人たちが利用していたのは、後者の地下にできる豆です。