アイヌ語で自然かんさつ図鑑
クロユリ
アイヌ語 / 語源
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【アイヌ語名】パウチコㇿムン/pawcikormun【日本語名】クロユリ
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【アイヌ語源】パウチ-コㇿ-ムン【意味】淫魔の草
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【アイヌ語源】アン-ラ-コㇽ(別名)【意味】黒い葉を持つ(知里)
アイヌ文化
伝承
本別あたりでは、あまり縁起の良い植物ではないと考えられていたので、家の近くに生えないようにしていたそうです。
食用
鱗茎は食用にしました。(更科)
地名
かつて帯広川筋にアンラコㇿタウㇱナイ(クロユリをいつも掘る川)という地名がありました。(永田方正「北海道蝦夷語地名解」)
おそらく、クロユリがたくさん生えていて、鱗茎を採集するのに適した場所だったのでしょう。
自然観察
ユリ科の多年草で北海道から本州中部まで分布しますが、北海道のものは大きくて花も多いとされています。
やや湿地に生育し、その年花が咲かない株は光沢のある大きな葉を一枚ほど地表に広げることが多く、花をつける場合は直立した茎に4~5枚の葉を輪生(茎から葉が放射状に生えること)します。この場合は高さ15〜30cmになります。
黒紫色の花が茎の上部に数個咲きますが、匂いを発することによって昆虫を呼び寄せ受粉すると考えられます。