アイヌ語で自然かんさつ図鑑
コウライテンナンショウ
アイヌ語 / 語源
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【アイヌ語名】ラウラウ/rawraw【日本語名】コウライテンナンショウ
アイヌ文化
食用
もともと有毒な植物ですが、塊茎(かいけい:球根)は時期が来ると食べられるようになります。秋深くなってから、あるいは春先の早い時期に掘ります。上部には黄色の有毒成分が全体に広がっているので食べることができないそうです。採集時期を間違えると中毒をおこすので注意が必要でした。食べるときは塊茎上部の黄色の部分をくり抜き、炉の灰の中で焼いて食べました(帯広・本別)。
薬用
歯が痛いとき、塊茎を切って、痛むところの頬に当てると痛みがおさまるといわれていました(吉田)。
自然観察
サトイモ科の多年草で古い文献ではエゾテンナンショウと記されているものがあります。
別名をマムシグサといいます。これは開花した姿を、口を開けて舌を出したヘビに見立てたものです。
半透明の縦縞がある緑色のつつ(仏炎苞:ぶつえんほう)の中に、たくさんの小さな花があり、赤い果実がかたまって実るようすから「ヘビノタイマツ」の別名もあります。
サトイモ科の植物はシュウ酸カルシウムなどの毒成分を含んでおり、そのまま口に入れるとしびれなどを起こし、中毒の原因となります。
十勝に広く生育し、市街地の緑地でもよく見かけます。