アイヌ語で自然かんさつ図鑑
エゾフクロウ
アイヌ語 / 語源
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【アイヌ語名】クンネレㇰカムイ/kunnerekkamuy【日本語名】エゾフクロウ
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【アイヌ語源】クンネ-レㇰ-カムイ【意味】夜鳴く神
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【アイヌ語源】イソ-サンケ-カムイ(別名)【意味】獲物を出す神
アイヌ文化
十勝ではエゾフクロウはカムイ(神)としてあがめられています。より小さなミミズクの類はエゾフクロウに似ていますが、あまり良くない鳥として考えられていました。
伝承
この鳥は「ペウレㇷ゚ チコイキㇷ゚ ニオㇽポㇰ シケ オチュ 【子グマだよ、獲物だよ、ひかがみに荷物がつかえる(ほど獲物が捕れる)よ】」と鳴き、クマの居所を教えると言われています。このため、猟をする場合はこの鳥が鳴くところに行くとクマを捕ることができると伝えられていました(帯広)。
また、人が歩いていく先に悪い神がいるとそれを知らせるために鳴くといわれていました(本別)。
自然観察
日本からヨーロッパにかけて分布する、代表的なフクロウ科鳥類です。北海道の亜種はエゾフクロウといい、本州以南の亜種よりも羽の色が白っぽいとされています。全長は50cmくらいです。
十勝には林の中に一年中生息し、市街地周辺では冬に多く見られます。夜にネズミを捕り、樹洞(じゅどう)で営巣します。ネズミの他にリス、昆虫類をおもな食物とします。繁殖期には雄がホッホ、グルスク、ホッホと鳴き、これを「五郎助奉公(ほうこう)」や「ボロ着て奉公」などと聞きなします。さえずり以外では、雄がホッ、ホッ、ホッ…、雌はギャーッ、と鳴きます。
フクロウ科の鳥類でも、頭部の羽が、角や耳のように立って見える種類をまとめて「ミミズク」と呼ぶ習慣があります。