アイヌ語で自然かんさつ図鑑
シマフクロウ
アイヌ語 / 語源
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【アイヌ語名】コタンコㇿカムイ/kotankorkamuy【日本語名】シマフクロウ
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【アイヌ語源】コタン-コㇿ-カムイ【意味】村を領有する神
アイヌ文化
シマフクロウは村を守る神として、北海道各地であがめられていました。この鳥は十勝でも「エカシ(おじいさん)が座っているように見える」と表現されるほど大きなフクロウです。昔は幼鳥を捕まえると、クマと同じように神の国へ魂を送るイオマンテ(霊送り)の儀式がおこなわれました。
また、アイヌの人たちに伝わる物語の中にもシマフクロウが主人公の物語がたくさん伝わっています。
伝承
この鳥は猟をしに来た人にクマの居場所を伝えるといわれました。(本別)
また、この鳥はクマの行動を監視しているといわれ、悪いクマから人間を救うと伝えられていました。(更科・十勝)
画像引用 函館市中央図書館所蔵 西川北洋『明治初期アイヌ風俗絵馬「フクロ祭り」』
自然観察
世界最大のフクロウの一種で、北海道では160羽程度が生息するとされる絶滅危機種。体長は70cm、翼を広げると1.8mほどにもなります。分布は北海道のほかサハリン、ロシア沿海地方に限られます。
山奥の鳥のように思われていますが、平野部に川が蛇行して流れ、小規模な池沼が多く、大木のある林にも多く生息していたと考えられます。大きな樹洞にすみ、魚やカエルを捕食します。開拓期以前は人間と環境を共有する鳥だったのかも知れません。