十勝のアイヌ文化
狩りと漁
山猟
山猟は秋から春にかけて行われました。この季節であれば草が枯れ、木の葉が落ちてまわりがよく見えるためです。また、とった動物の肉がくさりにくいためでもあります。
山猟ではエゾシカ、ヒグマ、エゾユキウサギ、キタキツネ、エゾタヌキ、クロテンなどの動物や、エゾライチョウ、マガモ、カケスなどの鳥をとっていました。
このような猟には、おもに弓矢を用いました。この矢にはトリカブトからとった毒がぬられていて、その威力は大きなヒグマも簡単にたおすほどでした。
このほか、シカやキツネをとる仕掛け弓やウサギをとる輪の形をしたわななどいろいろなわなも使われていました。
川漁・海漁
十勝川とその支流にたくさんの村があった十勝では、川漁がさかんに行われていて、サケ・マス・イトウ・アメマス・ウグイなど多くの魚をとっていました。
漁の方法はいろいろあり、たとえば、十勝川のような大きな川では、丸木舟を使った網漁を、小川では川をせき止めてかごを仕掛ける漁をしていました。また、マレクという棒の先にかぎがついた道具を使った漁もしていました。
海岸近くの村では海漁がさかんで、タラやカレイなどいろいろな魚やアザラシ、オットセイなどの動物もとっていました。北海道の南の地域では、銛でメカジキをとる漁も行いました。