アイヌ語で自然かんさつ図鑑
ガマ
アイヌ語 / 語源
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【アイヌ語名】シキナ/sikina【日本語名】ガマ
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【アイヌ語源】シ-キナ【意味】本当の草
アイヌ文化
生 活
各地で秋に茎葉を採集して乾燥させ、これでキナ(ござ)を織りました。 材料となるのは穂の立たない葉で、根本から刈り取って中心の茎と葉を分けてそれぞれ天日で干します。これをイテセニという織り機にかけて織ります。
床に敷くような日常使用するものには文様を織り込みませんが、チタルペという壁やヌサ(祭壇)を飾るような儀式に使うものには、シナノキやオヒョウの内皮を染色したテープ状のものを織り込んで文様を入れました(帯広・本別)。
自然観察
水辺に生育するガマ科の植物で、高さ2mくらいになる群落をつくります。葉の幅は2cmくらいで株の根本から細長く伸び、その内部は空気をふくんだ小さな部屋にわかれています。この構造がござに適しているのでしょう。
太いソーセージのような形をした穂は、上に雄花、下に雌花が咲きますが、花期が終わると雄花は無くなり軸だけが残ります。その下の雌花は結実して茶色になります。秋にこの穂がほつれて種子が風に飛びます。
ウナギなどの「蒲焼き」は、ウナギを丸ごと串に刺した姿(昔の焼き方)が、ガマの穂と似ているのでついた名前といわれています。花粉は止血薬(生薬の蒲黄(ほおう))として用いられます。また、この穂に油をしみこませて松明(たいまつ)にすることもありました。