アイヌ語で自然かんさつ図鑑
セミ
アイヌ語 / 語源
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【アイヌ語名】ヤーキ/yaki【日本語名】セミ【由来】鳴き声
アイヌ文化
セミは種類を区別せずに、「ヤキ」「ヤーキ」と呼び、昆虫の中でも多く伝承に登場します。
伝承
十勝では、セミが鳴く暖かい時期には、いろりの火の世話がおろそかになりがちなので、セミを絶対に家の中に入れないように、と火の神様に告げられたと伝えられています(井上)。
お話し
本別町に伝わるお話では、セミが人間の孤児(こじ)を育て、その孤児がクマ狩(が)りの名人となったため、クマを獲(と)ったときにはクマのカムイ(神)だけではなく、セミにもお酒をあげるのだそうです(更科)。
同じような話は十勝だけではなく、千歳などいくつかの地域に伝わっています。
自然観察
十勝地方でよく見られるセミは4種類です。
まず、5〜6月にエゾハルゼミが鳴きはじめ、7月にこれが鳴き終わるとコエゾゼミやエゾゼミ、エゾチッチゼミが鳴きはじめます。
ゾハルゼミの鳴き声は「ミョーキン ミョーキン ケケケ・・・」や「オーギィー オーギィー オーギィーォ ギギギギ・・・」と聞こえます。年によって発生数に差があるようですが、十勝ではもっともよく見られます。
コエゾゼミやエゾゼミは「ジー・・・」「ギー・・・」という大きな鳴き声、エゾチッチゼミは「チッチッチ・・・」「シュシュシュ・・・」というセミらしくない小さな鳴き声です。
十勝ではニイニイゼミやアブラゼミ、ツクツクボウシなどの発生はまれです。