明治政府(せいふ)はアイヌ民族を日本国民に編入(へんにゅう)すると、主要な食糧(しょくりょう)であったサケやシカの自由な捕獲(ほかく)を禁止(きんし)したため、アイヌ民族の生活は苦しくなっていった。政府(せいふ)はアイヌ民族を十勝川や利別川などの開墾地(かいこんち)に強制的(きょうせいてき)に集めて農業をさせたが成果は上がらなかった。また、女性(じょせい)の入れ墨(ずみ)や男性(だんせい)の耳かざりなどの風習も禁止(きんし)し、日本語や日本風の名前を使用させたため、アイヌ文化を受けつぐことも難(むずか)しくなっていった。アイヌ民族への差別と偏見(へんけん)が増(ま)すなかでも、しだいにアイヌ民族の自立活動や文化の伝承(でんしょう)活動が活発になり、伏根弘三(ふしねこうぞう)や吉田菊太郎(よしだきくたろう)らが活躍(かつやく)した。